【改正「投信法」の概要】
今回の改正「投信法」は運用資産に制限がなくなったといっても過言ではないほどで、商品ファンドが扱っている商品にも適用されます。ファンドを組成しようとする個人・法人にとって、どのヴイークルが最も自らに都合がよいかによって、上記の①投資信託制度(委託者指図型)、②投資信託制度(委託者非指図型)、③投資法人制度を選択できるわけです。たとえば、証券会社であれば①の投資信託制度(委託者指図型)か、あるいは③の投資法人制度のどちらかを選択することが可能になります。自らが不動産を所有する不動産会社や事業会社であれば、③の投資法人制度を活用することも検討に値します。また、信託銀行は基本的に②の投資信託制度(委託者非指図型)を利用して、信託銀行自らが資金を集めて不動産に投資する自己完結型で成果を上げることが予想されます。旧法から改正法への転換に伴って、従来の呼称もその内容も変わりました。改正後の「投信法」は改正前と同じ本則253条からなっていますが、削除挿入を考慮すると、実質的に約30条の増加とみなされています。なお、改正前と改正後の比較については章末で示しましたが、ここでは大きな流れの違いを見ていきたいと思います。
◆1.改正「投信法」の特徴改正「投信法」の基本スタンスは、投資者保護の充実といわれています。運用業務を担当する投資信託委託業者の適正性、兼業制限、利益相反のチェック、情報開示、ガバナンス(忠実義務、善管注意義務、損害賠償責任)など、これまで不備といわれていた多くの課題について、修正を含めて、整備の努力が払われています。また、不動産を取り扱う場合は、後述する不動産投資顧問業制度による規制や宅地建物取引業免許(宅建免許)が必要になる場合もあり、運用業者はその適格’性が重視されて金融再生委員会(内閣総理大臣)の認可が必要となっています。特に宅地建物取引業法では、「不動産を特定した媒介・代理契約の締結や重要事項説明」を要しない「取引一任代理等」制度が採り入れられ、「主として不動産」をファンド資産とする場合は、その認可(金融庁長官)取得が投資信託委託業者の要件にもなってきます。一方で、「従たる不動産」についてはこの制度を利用するか、あるいは一般的な宅地建物取引業のルールに沿って行うかの選択が可能です。なお、改正の主なポイントと法の概略を列挙すると次のようになります。①主たる運用対象資産の拡大(たとえば、不動産など)②運用業者に関する認可規定の整備③投資信託委託業者の権限業範囲の拡大
